細菌性・真菌性皮膚疾患による脱毛、トレポネーマ症(ウサギ梅毒)
Category:脱毛
2021年5月14日Treponemaparaluiscuniculiの感染が原因です。
本症は生殖器疾患であるが、肌門や顔面部に痴皮がみられる場合が多いです。
本症は人獣共通感染症ではないです。
感染経路は交尾感染、垂直感染であり、不顕性感染も多くみられます。
症状は鼻や口唇、眼験、外部生殖器の粘膜皮膚移行部から病変が始まり、最初は充血と浮腫がみられ、次に紅斑性の丘疹が出現し、表面に痴皮病変を形成します。
また、脱毛がみられることもあります。
本症例は、特徴的な臨床症状のみで仮診断し治療を開始することもあります。
抗体検査は、RPR(rapidplasmareagin)テストキットを用いることも可能です。
被検血清と反応させると、抗体が存在する場合に炭素粒子の凝集が生し、カード上で陽性像として肉眼で観察されます。
ただし、不顕性感染の個体も多いため、陽性の場合でも確定診断とはならないです。
治療
多くの症例ではクロラムフェニコールの投与で改善がみられます。
通常1~2週間で病変が消失するが、病変消失後2週間は投薬を継続したほうがよいです。治療を早期に中断すると再発しやすいです。
ペニシリンの投役与も有効であるが、腸内細菌が破壊される恐れもあります。
よって、筆者はほとんどの症例においてクロラムフェニコールを使用します。
主な鑑別診断
- 耳ダニ
- 接触性皮膚炎
- 膿皮症
- 皮膚糸状菌症など