歯科関連膿瘍の症状
Category:歯科関連腫瘍
2021年9月24日一般的な症状
ウサギの一般的な膿瘍では、膿瘍がとくに大きい場合でも、広範囲にわたって皮膚が壊死し、痛皮が形成されるにもかかわらず破裂することがなく、自然に排膿することはないです。
慢性膿瘍の場合、進行は無痛性、無症状で緩慢に発達し被包性の膿瘍として発達することがあります。
多くの動物種では、膿瘍の発症は落痛、発熱を伴い沈うつ、食欲不振を示すが、ウサギではそのような様子がみられないことが多いです。
疼痛がみられると食欲不振、体重減少などを呈します。
上顎の膿瘍の症状
副鼻腔や眼禽を圧迫していて、疼痛や周囲の骨を変形させないかぎり触診ではわかりづらいです。
気道閉塞による努力性呼吸、または呼吸性雑音を示すが無症状のこともあります。
くしゃみ、膿性鼻汁、呼吸障害、上顎切歯根尖腹側の腫大(鼻部外側中央)がみられることもあります。
上顎切歯または前臼歯下膿瘍では、鼻涙管閉塞による慢性涙養炎を引き起こします。
状況により、類骨弓の末端を触診できます。
膿瘍により鼻腔や眼禽を圧迫し、眼球摘出が必要なこともありますが、周囲からの穿刺や切開により排膿可能です。
下顎の膿瘍の症状
緩慢な進行を示す皮下膿瘍を呈したり、または深部組織に固着します。
いずれも下顎骨に沿って触診できます。
根尖周囲の歯槽骨破壊による歯の動揺、骨膜炎も起こりやすいです。
発生頻度は上顎よりも下顎で高いといわれます。
失活歯、変色歯
患歯の歯質を形成する細胞が失活し、歯の萌出·形成が停止すると歯冠歯質が茶~灰色へ変化します。
歯科関連膿瘍に移行しやすく、注意深い観察が必要です。
慢性膿瘍は犬猫に比べて無痛性、無症状で緩慢に進行し、飼い主が気づかないうちに被包性の膿瘍として発達することがあります。
上顎の膿瘍は副鼻腔や眼窩を圧迫しますが、疼痛や周囲の骨を変形させないかぎり触診ではわかりにくいです。