ウサギの膿瘍の特徴
Category:歯科関連腫瘍
2021年10月1日うさぎの膿瘍がほかの動物の膿瘍と異なる点を改めて理解することで、治療の足掛かかりとしていきます。
うさぎの膿瘍には弾力性がある厚い膿瘍壁、膿瘍内部壁の乾酪様物質、抗菌薬が効かないと言われる治療過程があります。
膿瘍壁
膿瘍は形成の過程で周辺組織から膿瘍壁で仕切られ、成長し続けます。
膿瘍壁はコラーゲン線維と血管を含む結合組織からなり、好中球やそのほかの白血球および抗体は、仕切りを通過し血管から膿瘍に侵入し、毒素を中和、殺菌します。
中和殺菌が終わらなければ一般的に膿瘍が進行していき、慢性化すると壁は厚くなり、抵抗の少ないほうに沿って拡大していきます。
膿瘍壁形成の一般的なメカニズムでは、マクロファージがサイトカインを誘発し、線維芽細胞に作用し線維性物質(コラーゲン線維)を沈着させます。
膿瘍にかぎらず慢性炎症ではこの線維化が起こります。