ウサギによくみられる消化疾患
Category:ウサギの下痢
2021年10月23日鼓腸、粘液性腸炎、腸性毒血症、消化管うっ滞、毛球症、胃炎、ウサギには実に数多くの消化管疾患が存在します。
それらの中でも日常的に遭遇することが多いのが今回のテーマでもある「下痢」ではないかと思います。
近年ウサギの成書の流通量が多いにもかかわらず、その診療を拒否する獣医師がいまだに少なくない理由の1つとしてこの「ウサギの下痢」が背景にあるのではないかと思います。ウサギは草食動物であるため消化器が大変特徴的であり犬・猫のような雑食肉食系の動物とは大きく異なります。
「下痢」とは病名ではなく症状を表す用語であって、その定義を「突然始まった、または最近始まった異常に頻回で異常に水分量の多い排便である。」としているものもあります。
ところが、成書によってはそれらが「下痢」としてみなされないことも多々あり、経験の浅い獣医師が「下痢」を見逃しているケースがあるように思えます。
今回、私の試みとして「下痢」を(真の下痢(水様性下痢、タール状下痢))、(軟便の下痢(盲腸便の異常)、(硬便の下痢(異常な硬便と粘液使あるいは粘液便のみ))と3タイプに分け、「臨床の実際」を述べたいです。