呼吸器疾患の診断
Category:呼吸器疾患
2021年7月17日1、身体検査
(1)上部呼吸器疾患
呼吸器疾患の臨床症状などにより上部呼吸器疾患と下部呼吸器疾患を分けることができます。その原因には歯牙疾患なども含まれるため視診や触診による絞り込みは重要です。
まず鼻腔の状態を観察します。
顔面の骨を触診して左右対称性を確認することで膿揚などによる腫服を調べます。
顔面の片側麻専由来の鼻汁などはまれではあるが遭遇することがあるため、視診も重要です。
片側眼球の突出は後眼部の腫瘤(膿瘍または腫瘍)を示唆し、両側であれば胸部の疾患を考慮します。
また鼻孔を調べて分泌物の有無を確認します。
分泌物はウサギが自分の前肢で拭き取ってしまい鼻孔しにみられないこともあるので、必ず前肢の裏と内面の毛が汚れていないかどうかを検査すべきです。
片側性あるいは両側性に鼻孔に付着した白色ないし黄色を呈する粘性あるいは膿性の鼻汁は異常所見であり、鼻炎や副鼻腔炎、あるいは周辺器官からの感染の波及などが疑われます。
(2)下部呼吸器疾患
呼吸のパターンを観察すべきであり、これは呼吸数を数えるより重要です。
胸部の聴診はウサギでは難しく、呼気音と吸気音との区別が困難なことがしばしばあります。聴診の際は小児用聴診器が有用です。鼻呼吸であるため胸部聴診時に上部呼吸器雑音が頻繁に聞こえますが、誤解しないように注意することです。
聴診は気管と左右胸腔について行うべきで、異常音とその最強領域を把握します。
気管支肺炎ではラッセル音とその部分的欠如が認められています。
2.5kg以上のウサギであれば、胸部打診によって、腫瘍、膿瘍、胸水などによる共鳴音の減弱部位を見つけることが可能です。
また、ウサギは明白な気管気管支疾患があっても、しばしば気管触診による咳反応をあまり表さないです。