ウサギの膿瘍に対する考察
Category:歯科関連腫瘍
2021年10月1日ヒトの1型(膿瘍の形成を伴う病変)に相当するウサギの歯科関連膿瘍をあてはめると、ウサギの場合、歯根部に起因することがほとんどで、原因を除去しないかぎりサイトカインが出続けるため、膿瘍壁が厚くなってくるのではないだろうか?と思われます。
このように考えるとウサギの膿携壁または膿瘍膜の変化は稀有ですが、特別な変化ではありません。
つまり、膿瘍壁ができる過程が変わっている生物ではなく、結果として厚い壁ができているということです。
ウサギの膿瘍では乾酷変性がよくみられるが、液体の状態も存在します。
これらは、膿瘍の進行具合や細菌の種類などにより異なってくると考えられます。
膿瘍壁の最も厚い部分における膿瘍腔内部の乾酪様物質により、膿の水分吸収が起こると考えられます。
ヒトの慢性根尖性歯周炎から分離した菌群(An)と、慢性根尖性歯周炎の主要原因菌として知られているアクチノマイセスの単分離菌(Wb)をマウスに接種し病理組織を比較したところ、最終的な病態が異なったという報告があります。
自験例ではPasteurellaは検出されず、さまざまな細菌が検出されています。
しかし、培養がうまくいかないこともあり、感受性試験の結果と菌体とが一致しないこともあります。