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Category:歯科関連腫瘍

2021年10月1日
歯科関連膿瘍の分類と治療①

歯科関連膿瘍の場合、根本原因は歯根部の感染に由来することが多いです。

抜菌により再発率が約90%から30%以下にまで低下するともいわれます。

根本治療が重要ではあるが、歯根部に増殖性の細胞をもつウサギでは、細胞の状態を把握することはできません。

したがって私は、どのような病態のときに、どの治療をすべきかを考えるために、症状から病態をI~IV型まで分類しています

I型の治療

I型は、遊離非固着型である。触診にて、骨および皮下組織より遊離していることが確認でき、X線検査では異常が認められない状況にあります。

Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ型と比較し、慢性で、緩慢傾向にあり、被膜が厚く、膿瘍部が肥大化しても破裂までに時間を要します。

歯根以外に原因があり臭腺、下顎の外傷、粘膜穿孔でも発症します。

急性にも発生します。

厚い被膜をもち数年間も同じ状態で存在する膿瘍は、外科的に取り除くと治癒に至ります。非固着型でも初期(急性)の状態は、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ型に変化することも予想しておきます。

臨床症状は、落痛が必ず起こるわけでもなく、食欲に変化がありません。

治療は、外科的摘出が有効です。

膿瘍壁を壊さず取り除き、さらに、根本的原因となっている疾患の治癒を目指します。

Ⅱ型の治療

Ⅱ型は、軽度固着型です。

触診にて骨または筋間·筋肉に固着していることが確認でき、経過時間により骨との固着がより明瞭となります。

X線検査での異常所見は認められません。

被膜はⅠ型ほど厚くはないです。

失活歯や口腔への排膿がみられることもあります。

時間軸は不定であり、急性のI型からの波及と慢性経渦の場合もあります。

臨床症状では、食欲は若干低下していることもありますが。おおむね正常です。

治療は、排膿、膿胞洗浄(生理食塩液、ポビドンヨード、マイシリン添加生理食塩液、酸性水、AP水)、抗菌薬の投与です。

外科的に取り除くことも可能です。

可能であれば根本原因の除去を行います。

Ⅱ型の治療の基本は、排膿(状況により切開排膿)です。

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執筆者

水前寺公園ペットクリニック院長

うさぎの病院、水前寺公園ペットクリニック院長 中田至郎

学歴

  • 熊本市立桜山中学校 卒
  • 私立真和高等学校 卒
  • 麻布大学獣医学部獣医学科 卒
  • 熊本大学医学教育部博士課程 卒業(医学博士)

所属等

  • 熊本臨床獣医師研究会
  • 一般社団法人 日本獣医エキゾチック動物学会 理事
  • 九州エキゾチック動物臨床研究会 会長
  • 日本獣医皮膚科学会
  • 公益財団法人「人と動物の会」
  • 麻酔外科学会
  • エキゾチックペットセーバーインストラクター(資格団体:一般社団法人日本国際動物救命救急協会)
  • 鹿児島大学共同獣医学部付属動物病院パートナー病院

詳しい経歴はこちら

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