歯科関連膿瘍の診断2
Category:歯科関連腫瘍
2021年9月24日血液検査
血液検査は有用性が低いです。
犬・猫のように、骨髄からの好中球の生成増加による白血球増多症との関連は認められないです。
好中球の左方移動はまれにみられることもあります。
リンパ球減少症がみられるが膿瘍を含むすべての慢性疾患に共通するため、非特異的であります。
同様に軽度貧血、単球増多がみられることもあります。
頭部X線検査
歯列の確認、膿瘍の位置、大きさ、原因となっている歯の特定を行います。
原因歯は長くて歪み、歯根周囲がX線半透過性になることも多いです。
骨髄炎による骨破壊の範囲の確認、予後の予測を行います。
麻酔下にて行うのが好ましいですが、高齢化などにより無麻酔で行うことが多いです。無麻酔下での斜位像を撮影することは、多少技術が必要であり、開口斜位像はスクリーニングとしては撮影が難しいです。
歯科用のポータブルX線検査装置を使用するとウサギの体位は一定のままで撮影装置を動かすことにより斜位像が得られるため便利です。
またポータブルX線検査装置は線量が低いものもあるが、ウサギでは十分です。
CT検査
骨変形がわかりやすい、飼い主にも視覚的にわかりやすいなどのメリットがあります。
細菌学的検査·薬剤感受性検査®、バイオプシー
好気性/嫌気性培養、グラム染色、薬剤感受性検査に
1hFusobacteriumsp、、Actinomycessp、、Streptococcus
sp、、Pasteurellasp、、Staphylococcussp、、Pseudomonassp、
Bacteroidessp、、Proteussp、などを検出します。
細菌学的検査、薬剤感受性検査はできるだけ実施すべきです。
細菌の検出、抗菌薬の選択は、とくに初期治療では有効です。
ただし細菌が特定できないことも多く、嫌気性細菌などは経験則にもとづいた判断も大事な情報とし、匂い、色調、粘度などの観察も重要です。
バイオプシーは、18Gなどの太めの針を使用することで膿瘍の確認が可能です。