歯科関連膿瘍の原因2
Category:歯科関連腫瘍
2021年9月17日歯槽骨
歯根膜は、有根歯をもつ犬·猫と異なり、歯根を歯槽骨内にとどめるような強固な支持組織ではありません。
常生歯を支える継続的な萌出に適応するため可動性が高い反面。脆弱です。
臼歯を支える力
左右方向(頬から舌)のほうが前後方向(近~遠心)より強いです。
有根歯の動物に比べ歯の支えが弱く、草や茎を左右に咀嚼する運動には適していますが、嗜好品やかじり木、ハードタイプペレットを上下に咀嚼する運動では歯根部に動揺を与えます。
犬·猫と異なる解剖学的特徴(稜縁歯形)
白歯は2つの稜をもち、上下で組み合わさります。
チンチラなどは平行な歯列をもつのに対し、ウサギの歯列は繊細な組み合わせをもちます。
正しい食餌により咳合を保たないと、不正唆合が起こりやすく膿瘍の原因となりやすいです。
歯根部根尖の位置
根尖の位置は膿瘍のできやすい部位です。
上顎臼歯根尖は眼禽内に存在し、後臼歯歯根の伸長は眼球を強く圧迫し眼球突出を生じます。
第2前臼歯根尖は鼻涙管の直下に位置して、この位置に化膿性炎症が生じると眼禽下が腫大し、鼻腔および眼からも排膿されることがあります。
下顎臼歯歯根は下顎骨下縁に位置し、歯根伸長により下顎骨下縁に不整な膨隆がふれることがあります。