ウサギの呼吸器疾患について
Category:呼吸器疾患
2021年6月16日「ウサギの呼吸器疾患」というテーマについて改めて考えてみると、肺あるいは心臓にかかわる疾患は幾つも思いつきます。
それらは下部呼吸器で、胸部疾患とも重なる部分があり、文献・資料・成書も存在します。
それに対して鼻腔、副鼻腔などの上部呼吸器は「歯牙疾患とスナッフルに絡んだ症状」という、ある種の常識にとらわれ、それより先の展開がないことに気づかされました。
正直、情報量も下部呼吸器とは比較にならない程乏しいのが現状です。
実際に日々ウサギの診療を行っていると「歯牙疾患」とも「スナッフル」ともつかない症状に出会うことがあります。
私のなかに矛盾と疑問と違和感があり、そう感じている獣医師はほかにもいるのではないかと思います。
そこで今回は鼻腔、とくに副鼻腔の解剖とX線検査に焦点を当ててみました。
昨今X線もデジタル化が一般化しており、CTあるいはMRIでなくとも拡大陰影を駆使すれば、充分な画像診断が可能であり、新たな上部呼吸器疾患の診断基準の一翼となりえるでしょう。
それはすなわちその先の治療に繋がることとなります。
ぜひ、歯牙疾患と結論づける前にほかの要素も視野も入れ診断・治療に役立てていただけると嬉しく思います。